新新・たまんにっき

文学と洋画、アニメ、漫画に萌えるインテリア大好き乙女の気まぐれ日記

主力エンジン全開っ、補助エンジン点火っ、全速前進!!

タイトル名は、井上ハーロックの声で再生してください。(笑)

今日は朝からもの凄い台風の暴風雨でしたが、昼前には東海地方を吹き抜けていきました。
いやはや、このマンションに越してから初めての直撃台風。7階で壁全面が大きな窓というデザインなので、雨風の脅威が凄かったー。
今は、雨上がりの青空が覗いています。窓を開けたいんですが、風がものすごくて開けられない。
ちょっと開けただけで、部屋中の物がふっ飛んでった///

ということで、今日は一日おうちに閉じこめられていたので、お仕事をポチポチやりつつ、相変わらずハーロック萌えと今作映画への怨念をブツブツ。←シツコイ。

ほんとに、どうして、今作映画は敵をマゾーンにしなかったかなー。
CGのやりがいのある敵キャラだったのに。。。
原作だって腐敗した地球政権を扱ってるし、マゾーンという植物生命体の脅威というのも、現代日本の問題に遠くないと思える。
ガイア・サンクションなんて屁理屈っぽい仮想敵よりも、よっぽど面白く重厚感あるシナリオになっただろうに。

ところで、そのマゾーンですが、1978年版アニメで描かれる女王ラフレシア様とハーロックの関係が、りん・たろう監督曰く「妖艶で面白い」んだよねえ♪
単純な恋愛ウンタラじゃありませんよ? この二人に、そんな俗っぽい月9ドラマみたいな関係は必要ありません!
ちょっと秀逸なシーンを1つ、2つ、ご紹介☆

アルカディア号の艦長室に、ラフレシア様が投影装置経由で姿を現して、ハーロックと問答をするシーンがあります。
このシーンで、ハーロック現代社会ではちょっと禁句な発言をしてしまいます。(笑)

ハーロック「おまえの誇りは、しょせん女の誇りだ。男の胸に宿る思いがわかろうはずがない!」

井上ボイスのハーロックでなければ許せない発言ですが(井上ハーロックなので、まあいい、許す。笑)、これに対してラフレシア様が素晴らしい切り返しをなさります!

ラフレシア「おまえを生んでやったのはこの私じゃ、あほんだら!」

気高いラフレシア様がこんな乱暴な言葉を吐くはずはないので(笑)、これは私の意訳ですが、台詞の内容は間違ってません。←ほんとか!?
(※本当は、「自ら撒いた種に背かれようとは……」です)

つまり、マゾーンは紀元前の頃から地球に来ていて科学文明を伝え、今日の人類の繁栄はマゾーンのおかげを被っているということなんです。
これを敷衍して考えると、ハーロックすらも実はマゾーンの、ラフレシア様の息子であるとも言えるわけ!!

ラフレシア様にこう言われたハーロックは、当座は「え!?」って顔をするんですね。最初は何を言われたかわからないんだけど、だんだんその意味がわかってくるという……、このアニメは、そうしたハーロックの自覚もかすかに描出されていて、非常に面白いんです。

すなわち、ハーロックラフレシア様は、単なる敵同士というだけではおさまらない、神話的構造が物語の基底にあって(松本作品って、たいがいそうなんだけど)、

この二人って実は観念上の母子、とも言えるんだよね!

ラフレシア様とハーロックの有名な一騎打ちの場面、ハーロックと互角に剣術で戦い、力負けしないラフレシア様のなんたる格好良さ!!……も、さることながら、従来いろいろ説が出ていますところの、有名なショットも、たぶん上記の定義で考えるとわかりやすいのかも。

一騎打ちで、ハーロックがついにラフレシア様を負かすのですが(何もスッポンポンにすることはないと思いますが、そこはサービスなのでしょうね。笑)、ハーロックは愕然とするわけですね。

なんと、ラフレシア様の胸から赤い血が流れている!!

マゾーンは植物生命体なので、緑の体液のはず。なのに、なぜ!?
ここはアニメでは何も説明されていないので、オタク界では諸説ふんぷんですが、私はこう考えてみる。

ハーロックの目には緑の血が赤く見えたのだ、と!!

え? ハーロックって色盲!? 
とかいう話ではなくて、マゾーンとの戦いを繰り返していく過程において、だんだんハーロックは潜在意識でマゾーンが自分達人類の遠い祖先だと感づいていったのではないか──就中、女王であるラフレシア様は、いわば自分の母にあたるのではないかと自覚するようになっていったのではないか、と。
あくまでその自覚は潜在意識下で行われているので、ハーロックの有意識上には浮かんでこないんだけど、ラフレシア様を傷つけた時に、その自覚から来る幻視がラフレシア様の血を赤く見せたのではなかろうか。

どうでしょ?
こう考えると、めっさ面白いし、単純な構成に見えるこの1978年版アニメのナラティヴが、いっきに解釈の奥行きのある作品に読めてくると思うんですがねー。
少なくとも、今作映画のガイア・サンクションよりは遙かにマシじゃね?(苦笑)

実はハーロックって、よく夢を見る男として描かれています。
それも、けっこう悪夢を見がちの体質を持っている──その悪夢がいわゆるハーロックのクレバーな故に繊細な潜在意識が見せるものだと解釈したら、ラフレシア様の悪夢にたびたび脅かされるハーロックの姿というのも納得できる。

今作映画スタッフが、そういったハーロックの、男前で勇気ある顔の裏側に潜む繊細な感受性を前もって発見できていたら、ハーロックの苦悩を描きたいからといって何もダークヒーローとして再誕させるためにあんなバカな罪をハーロックに負わせる必要もなかったろうに。。。

そして何より、CG化されたマゾーンの色っぽさに全世界の男性諸君が感動しただろうに!(笑)

なんちゅう、もったいない///
残念です、非常に残念。。。

残念ついでに、映画の出来にノイローゼ状態になっているうちに、3Dポスター(ブルー)が通販で売り切れてた。。。
物語の出来は悪いが、映像は素晴らしかったので、このポスターは欲しかった。。。
くうう、何もかも腹立つわー!vv