新新・たまんにっき

文学と洋画、アニメ、漫画に萌えるインテリア大好き乙女の気まぐれ日記

岡山の友人とディナー & 『トレインスポッティング』原作小説萌えどころ

昨日(21日)は花金。
もう10年近く前に某国家プロジェクトチームで一緒だった岡山大学の友人(♂)が、名古屋に立ち寄るというので、名古屋駅直結のJRセントラルタワーズ12Fにあるイタリアン・レストランを予約し、夜景を楽しみながらディナーデートをしました☆
お店はこちら。↓
http://www.towers.jp/restaurant/detail/19?facilities=1&facilities=3
用心して、カクテルをメインにして、ワインはそれほど嗜まなかった。
が! 河岸を変えて、ミッドランドスクエア1号館と2号館を繋ぐ地下街にあるバルに入ったら、コニャックなどを注文してしまったワタクシ!vv
でも、二日酔いには別酒をというジンクスどおり、これで一昨日からの根深い二日酔いが治った気もする。(笑)

岡山の友人からは、素敵なお土産も頂戴しました♪

さすが岡山、桃太郎伝説ですね〜。
本日の朝ご飯のフローズンフルーツonヨーグルトと一緒にパチリ☆

で、爽やかな快晴となった本日、のこのこと職場へ向かい、ラボでお仕事と読書〜。
トレインスポッティング』原作小説を読了しましたが、この『T1』原作はシクレンよりもむしろベグレンっぽい描写の方が萌えどころなんじゃないかな?
たとえば、ベグビーから見たレントンの描写なんか、どうですか? 映画でも描かれた、例のベグビーがビールジョッキを階下に投げつけるシーンの直前、バーに入ってきたレントンを迎えるベグビーのセリフです。↓

「来たか、男娼(ルビ:レント・ボーイ)、調子はどうだ?」がらがら声でザ・ベガーが怒鳴った。奴からはTPOって概念がそっくり抜け落ちてる。(中略)
「今日の服、似合ってるぜ。な、こいつにはスタイルがある」謎めいた一言を口にした後、わざとらしく間をおいてから、説明を加えた。「役立たずのくず野郎ではあるがな。だが、こいつはスタイルを持っている。頭の回転が速い。品がある。この俺と同じだ」

レントンはこのベグビーの褒め言葉を、ベグビーが自分自身を褒めるための方便だと解釈していますが、そんなこともなくて、次にベグビーの一人称での章でも、ベグビーはレントンを「スタイルがある」と内心で評価していると書かれてあるんですねえ〜/// 
ベグビーとレントンと、二人で列車に乗ってロンドンへ向かう道中です。↓

こいつのユーモアのセンスには首をかしげたくなるときがある。レンツとはずいぶん長いつきあいだが、こいつは昔とは変わっちまったみたいな気がする。いや、ドラッグのことだけで言ってるわけじゃないぜ。何かさ、あいつはあいつの道を行って、俺は俺の道を行ってるとでも言えばいいのかな。だが、それでもこの赤毛野郎はなかなかいい奴だ。それは変わらない。
      (中略)
レンツが女二人の横に座った。なかなかナイスな女。やるじゃねえか、赤毛の兄ちゃんよ。
「ここはダーリントンまで空いてるみたいだ」レンツが言った。
俺は〈予約席〉のカードを剥がして尻ポケットに突っ込んだ。「これでロンドンまで空いたぜ。予約した奴らなんか知るか」(中略)レンツは肩をすくめただけだった。この気取った野郎は緑色の野球帽なんかかぶってやがる。こいつが寝たら、あの帽子は窓から飛んでいっちまうだろうよ。まあ、見てな。

いかがです?
ほんの少し、レントンと精神的な距離を感じているベグビーですが、それでも彼を好いている素直な心情がかいま見えるシーンですよね。ベグビーがレントンを「赤毛」と呼ぶのも、シック・ボーイの時もそうですが、すごい萌える!
というのもですね、実はヨーロッパ絵画の知識があると、「赤毛」と聞いてすぐに思い浮かべるのは「娼婦」なんですよ! 俗に、「チチアンの髪」と呼ばれるのがそれで、イタリアの画家ティツィアーノ(先月まで日本で公開されてましたね)の描く女性がたいてい赤毛で、しかも娼婦をモデルとしていることが有名で、ヨーロッパでは常識とされている知識なんです。

レントン赤毛である設定には、おそらく作家のこうした教養の計算が働いているのではないかな?

ま、それはともかく、続けて同じ列車のシーン、ベグビーがレントンのふと覗かせる気品について言及する箇所を抜粋します。↓

レンツはニヤリとしただけだった。女の方ばかり見てやがる。アメリカ人だな。レンツの情けないところはよ、相手が女だと、世間話の一つもできねえところだ。せっかくスタイルのある奴なのにな。
    (中略)
ダーリントンから乗ってきた二人連れが、俺たちが座った座席番号と切符を見比べて言った。
「すみません。ここは僕たちの席です。予約してるんですよ」一人が切符を俺たちの鼻先でひらひらさせた。
「いや、何かの間違いじゃないでしょうか」レンツが言った。この赤毛はその気になればえらくお上品な口がきけるんだ。こいつにはスタイルがある。「エディンバラで乗った時、この席には予約カードがついていませんでしたから」
「でも、ほら、予約した切符があるんですよ」ジョン・レノン眼鏡をかけた奴が言った。
「そうですか、イギリス鉄道の職員に苦情を言ってみてはいかがですか。僕たちはカードがついてないことを確かめて、この席に座ったわけですから、イギリス鉄道の落ち度の責任を僕らが引き受ける義理はありません。じゃ、そういうことで」
レンツは笑いながらそう言った。赤毛のくせに、やるじゃねえか。俺は赤毛の口上に聞き惚れちまってて、奴らに失せろと言うのも忘れちまってたよ。

どうです?vv
後に、『T2』原作小説で、「アムステルダムの娼婦」と呼ばれることになるマーク・レントンの、クールでクレバーな一面の萌芽が、かいま見える萌えシーンですよね♪
それを目撃し賞賛するのがベグビーというのも、また、いいですね〜///

しかし、この後、ベグビーとレントンの人格レベルの差を描写する場面が続きます。『T2』の悲劇への伏線とも読める箇所。ロンドンに着いて列車を降りた二人は、一瞬、互いの姿を見失います。ベグビーはやっとレントンを見つけるんですが、レントンは見知らぬ男と立ち話をしていて、小銭を恵んであげようとしているんですね。↓

フランコ、小銭持ってないか?」レンツが言い、汚らしい痩せっぽちの男がコップを差し出した。涙目で俺を見てやがる。
「このクソ野郎、失せやがれ!」俺はコップを吹っ飛ばした。男は通りがかりの客の足の間を這い回って小銭をかき集めた。俺はその姿を見て大笑いした。
「で、おまえのダチのフラットはどこだって?」俺はレンツに言った。
「すぐ近くだ」
レンツは妙な目で俺を見ていた……こいつはよくこういう目をして人を見る……相手がダチだろうと関係ねえ、いつかこいつの顔をめちゃくちゃにぶちのめしてやろう。次の瞬間、レンツは俺に背を向けて歩き出した。俺はその後を追ってヴィクトリア線の改札に向かった。

「レンツは妙な目で俺を見ていた」という描写が効果的ですね!
「こいつはよくこういう目をして人を見る」――レント・ボーイ(男娼)であり、やがてアムステルダムの娼婦となるマーク・レントンの、じっと他人を観察して相手の知能レベルと人格レベルを推し量る、冷静でクレバーな評価眼の描写で、すごみのある文章です。
映画でユアン・マクレガーが演じたレントンは、その大きな瞳で観客を魅了しましたが、原作小説のレントンはもう少し狡猾な男のようですね。どっちも素敵ですけどね///

はい、こんな萌えキャラであるマーク・レントンを偲ばせるような表情をした、映画のポストカードがあったので、思わずポチってしまいました!(笑)

ね? 素敵でしょーーーー///
この写真のレントン、まさに原作小説のレント・ボーイの面影のある、いい表情をしてます☆
なぜシック・ボーイがいないのか謎ですが(笑)、スパッドもベグビーもなかなかキマっております♪
ってか、この写真のベグビーのポーズ、まるで「レンツは俺のレント・ボーイ(男娼)だぜ! 手ェ出すんじゃねよ!」って言ってるみたいだvv ←オツムが腐りきっているので。

ということで、本日はスターウォーズの話題がなくてすみません!
明日、日曜日にでも〜。