新新・たまんにっき

文学と洋画、アニメ、漫画に萌えるインテリア大好き乙女の気まぐれ日記

ハーロック研究発表(笑)

とってもさわやかな、まさに5月らしい爽快なお天気☆
ちょっと風が強いですが、今日は恵比寿にて、ヒーローを研究する同好会が開催され、私がハーロックについてナンタラカンタラ発表する日であります。

レジュメも気合い入れて作った!
門外不出だったDVDも持参した!
原作漫画も用意した!

午前11時から、いざ始め!!

論点は、発表時間の制約もあるので、まずは宇宙海賊としての、つまりファントム家系の旧ハーロックに絞ったということで、「プレイコミック」連載から「無限軌道SSX」までに区切り、各作品の書誌データを開陳。
これで各作品における制作スタッフの差異と、それがもたらした作品の味わいの差異(成功/不成功など)、後世への影響を鑑みつつ、70年代型ヒーローの典型とはどういったものだったのかを考察するという運びです。

いやあ、ともかく、皆さん、それぞれ知識が豊富な仲間達なので、有意義なディスカッションでした。

ハーロックにとってのトチローの存在というのは、太平洋戦争での生き残った兵士が死んでいった戦友にいつまでも後ろめたさを感じる類の感情と相似形なのかどうか、とか。
ダイオウイカからマッコウクジラに切り替わったアルカディア号は、そのままハーロックの若さから成熟へのシフトを象徴するのではないかとか。ついでに青から深緑のカラーシフトも。
「いつか迎えにくる艦」としてのアルカディア号とは、<生の艦>であると同時に<死の艦>でもあって、日本人特有の浄土信仰のイメージが基盤にあるのではないかとか。
78年版アニメ全般に見出せるオカルト趣味な演出は、70年代の時代感性と呼応しているとか。
ハーロックとまゆの倒錯的なエロスについて、視聴者はまゆにエロスを感じるのではなく、まゆを庇護するハーロックにエロスを感じる仕掛けになっており、小松原一男の作画効果もあいまって、特に78年版アニメのハーロックは実はジェンダーを超越した存在なのではないかとか。
だから、マゾーンの美女軍団に取り巻かれて誘惑されても、まったく無関心でスルーするんじゃないかとか。
そうしたジェンダーを超越するかのような、妖しいハーロックの魅力を、「わが青春のアルカディア」では作画の段階で抹消してしまい、ひたすら<男>という記号に集約しようとしたために失敗したのではないかとか。
ハーロックって国定忠治なの?とか。(笑)
もしメーテルやエメラルダスや松本美人の女子会の席にハーロックがぽつんと紛れ込んでても、けっこう溶け込めてそうな気がするとかしないとか。(笑笑)
失敗作(と言ってしまおう)「無限軌道SSX」の制作スタッフが、「機動戦士ガンダム」や「ドラゴンボール」のスタッフと被っている事態に、非常にわかりやすい失敗の要因と時代の推移を見て取れるとか。

いやはや、これ以外にもいろんな論点が出て、面白かった! 
上記を論じ切るには、裏付けの証拠資料がかなりの量で必要とされますが、楽しいなあ。

同好会の後は、聖心女子大学で開催された日本近代文学会の80年代文学状況特集に出席したけれど、面白かったんだけれど心は70年代に傾いてしまったので(笑)、そのまま懇親会を欠席して恵比寿ガーデンプレイスに直行。
77年前の復刻エビスビールを飲みながら、ソーセージやピザをつまみに、延々21時半までハーロックについて語り明かしたのでした!!

今回は時間がなかったので、マゾーンについて深く発表できなかった。
次回、第二弾マゾーン編として発表しようっと☆