新新・たまんにっき

文学と洋画、アニメ、漫画に萌えるインテリア大好き乙女の気まぐれ日記

「T-34」3時間拡張版の感想(長文です)

いやあ、昨日は初めて自宅のノートPCでロシアのTVを3時間も視聴しましたよ。インターネットって凄いね、日本にいながら、それも自宅で海外のテレビ番組を観れちゃうんだもんね!(今更)

午前3時~6時という時間帯で視聴しましたが、クリンゲンタールの朝日と同時に、名古屋も日の出を迎え・・・ってか、雨だったけど。感慨深いものがありました。視聴後は、すぐさまベッドに潜りこみ、そのままお昼まで爆睡。でも、12時にはちゃんと目が覚めたのって、偉くないですか?(>そうか?)

それでは、あちこちで被爆しているもようですが(笑)、私めも「T-34 3時間拡張版」感想をいきまっしょい☆

昨日、開口一番でグデクラを叫びましたし、求婚シーンへの言及もいたしましたが、とにかく私がこの拡張版を通して観て印象づけられたのは、

あ、これはヤバイわvv

この大佐は、間違いなく発狂している・・・。

というものでありました。。。通常版や完全版の大佐は、恋は盲目ということで一途に破滅へと突撃してはいっても、決して内面が崩壊しているわけではなかった。SS組織に疑問と不満を抱きつつも、軍人としてはまっとうに生きていた。正気だった。

でも、この拡張版の大佐は・・・大佐というよりもクラウスとしか呼べないほどに、パーソナルな面で発狂してしまっているんではないか。それも、ニコライと再会してからではなくて、ニコライと再会する前――おそらくネフェドヴォで生還して以来だと思う。そう思わせるほどに、拡張版の大佐・・・ってか、クラウスは危うく脆い内面を覗かせるシーンが大量に追加されてる。監督がインターナショナル版を製作するにあたって、クラウスの脆さをうかがわせるシーンをことごとく削除したのも、納得できるわ。

喜怒哀楽というより、躁鬱の波が激し過ぎる。表情の切り替わりの落差が、急角度過ぎて、ニコラウスの場面ももはや腐女子の共感を通り越して異常な内面を覗かせてしまって、笑えないシーンになっちゃってる。ネフェドヴォへの執着が、業となって彼に取り憑いている。収容所でニコライに、「ネフェドヴォだよ」というセリフが、拡張版では重い・・・重すぎる。

そして、明らかに主役であるニコライより、キャラの凄みで印象が上回ってしまっている。。。

だから、大幅に大佐のシーンをカットしていったんではあるまいか。よい判断だったと思うよ、マジで。あくまで主役はニコライにしないとね。

拡張版で、グデパパの登場と台詞が多いのも、グデクラとして楽しく妄想できるわけだが、真面目に考えると、それくらいグデパパがクラウスを懸念し傍についているという解釈になってしまう。拡張版のグデパパは、本気でクラウスを心配してるし、不安そうじゃん?

f:id:tamakik:20200511132439j:plain

ほら、ずっと娘を見つめているし、その表情や仕草を注視しているじゃありませんか///

上の画像のグデパパのまなざしは、叱責じゃないよ、娘への不安と心配だよ。私はmy設定でグデパパと大佐は一緒に暮らしているとしているので、ネフェドヴォで生還はしたにせよ心身に深い損傷を被ったクラウスを、グデパパはしばらくずっと邸宅で介護していたんじゃないだろうかと思う。んで、我が娘が精神的におかしくなってしまっているらしい気配を(夢遊病をしばしば起こすとか・・・「フェノミナ」みたいに。笑)目撃し、察知はしていても、そこは親バカで、「私のクラウスに限って、まさかそんなことはあるまい。軽いPTSDに違いない」と、敢えて娘の異常に眼を瞑ってしまったんだよ。

でも、いつまでたっても症状が改善しないクラウスの様子に、さすがのグデパパも心配になって、でも家柄を考えると不用意に精神病院に入れるわけにもいかず(可愛い娘に対して、そんなことは絶対したくなかったグデパパ)、

「そうだ、この子は戦車が好きだから、武装SSに引き入れて装甲師団の指導を担当させれば快復するのでは?」

と考えたのではあるまいか? ヒムラー対面の直前、グデパパが大佐に「新しい軍服が似合ってないな」と言っているのは、「不本意だろうが、少なくとも戦車には乗れるぞ」と慰めているのでは? 大佐の「すべてが無意味に思えています」という返事は、どんだけグデパパを心配にさせたことでしょうね? 武装SSへの転籍は、グデパパにとっては娘の症状の快復を願う最後の祈りだったのかも。

となると、例の「アーネンエルベを呼べ」というセリフにも、複雑な意味合いが出てきますかね? もはやクラウスの症状を癒せるのは、オカルトしかないのかもとかグデパパが思い始めたとか?

でも、あのグデパパの葉巻を灰皿で消す大佐の仕草――私見ですが、私はあの瞬間、大佐は一瞬正気に戻ったのではないかと思うんです。つまり、ニコライが対空砲をかわし、脱走に成功して、いよいよ自分自身で彼を追うことになると、はっきり悟った瞬間。この瞬間に、大佐はネフドヴォ以来の軍人としてのアイデンティティに還ったのではないかと。

おそらくグデパパの葉巻を消す行為は、毎晩、邸宅で就寝前にいつも葉巻の火を消し忘れるパパのために、娘が代わりに消してあげていた愛情のこもった習慣なのでは? 発狂して以来、ついぞその習慣を忘れてしまっていたクラウスが、この時一瞬正気に戻っていつもの習慣を思い出し、それを実行したのではないでしょうか!(号泣)

そう考えていくと、ティーリケのあの変貌ぶり(爆)もわかるような気がvvv いや、拡張版のティーリケ、マジで怖くないっすか/// なに、あの、煙フ~~~ッって/// これはマジで大佐の番犬だわ、それも最強の番犬。一人や二人、噛み殺してそうvvv

ニコライが呼び出された部屋に集っていたティーリケはじめ、ヴァイスさんや誰やの面々は、これは確実に(私の妄想では)グデパパが精神面に不安のあるクラウスのために付けた親衛隊(番犬ども)だわ。グデパパから仰せつかった彼らの使命は、クラウスの命令に従うことであると同時に、秘かにクラウスが奇矯な行動をしないかどうかを見張って、いざという時は全力でクラウスを庇いきる(隠蔽する)こと。あのンッフなヴァイスさんだって、実はそうした番犬の一人だったんだ! そうか、だから大佐は、いつも自分の傍にいるヴァイスさんの机に気兼ねなく腰かけておるのか!(笑)

そういう番犬どもの統率を拡張版ティーリケは勤めているんだな。

f:id:tamakik:20200511135245j:plain

ニコライをガン見する拡張版ティーリケのこの凄みの効いたまなざしは、大佐の副官という表向きの使命の裏で、グデパパからの密命であるクラウスの心身の危うさを他者に気づかれないようにするという、実に重大な任務を背負った用心棒の心意気が宿っているんではないか?(萌)

ティーリケ自身も、クラウスが少しおかしいことに、そこはかとなく気づいているのでは?

だから、ティーリケもグデパパと同様、一瞬たりとも大佐から眼を離さないのかも。ほら、こんなふうに。↓

f:id:tamakik:20200511135818j:plain

このベルリンに電話をかけている(おそらく相手はグデパパ)大佐の様子に、その行動そのものは全然おかしくないんだけど、大佐のその妙にウキウキしている様子にそこはかとなく彼の異常さの発露を感じ取って、クラウスのために不安を募らせるティーリケなんだよ、きっと。

「お嬢様(意訳)は、またおかしくなられている? だが、何があっても、俺はこの人を護りきる!」

と、心に決めた副官にして番犬なティーリケ!(激萌) 完全版とはまた違った、大佐と副官の関係が見えてきて、これはこれで萌えまする♪

ところで問題は、大佐はどうして発狂したのか?ということですよね。なぜネフェドヴォでの戦いで、そんな精神面にまで甚大な障害を被ってしまったのか? これの説明がつかないために、監督はこの発狂を匂わせそうなシーンをすべてカットしたのかなあ? 雛鳥たちをほとんど全員亡くしてしまったという点だけで説明するには、あまりにクラウスの軍人気質が軟弱なものになってしまふ。

巷では性的不能説も上がってるようですが、私もそれはあり得そうだと思いはするが、あまりにクラウスが可哀想で、できればその説は取りたくない。映画ではいっさい説明されていないから、どの説を採択するかは自由だしね。となると、残った選択肢の一つは――

ヴォルフか? ヴォルクラなのか?

さて、どうだろうな・・・。まだ長考の余地がありそうです(笑)。手がかりは、彼がアーニャに言った「家がない」発言ですかねえ?