新新・たまんにっき

文学と洋画、アニメ、漫画に萌えるインテリア大好き乙女の気まぐれ日記

お正月にはクリスティーを☆ ミス・マープルが愛した美しい警部さんについて

松の内も過ぎていこうとしております。のほほんと実家でお正月を味わっておりますが、さすがに寒いですね~。この寒さの中、明日は国会図書館、明後日は四谷に出張のスケジュールの相談に赴き、明後日はZOOMで研究会と、なかなかな予定を控えております。

そんな中でも、ただいま、一生懸命、某所のブツにとりかかっておりますので、今しばらくお待ちくださいね(汗)。

んで、お正月の読書は、私は毎年恒例でクリスティーの再読と決めておりますので、今年も楽しく読んでおります。お正月に読むには、クリスティーは最適なんですよね。コージー・ミステリほど気が抜けたテクストでもなく、でも快適な居間でレトロな雰囲気に浸っているような気分にしてくれる内容だから。今年はミス・マープル作品を集中して読んでおります。

私は、昔から、ミス・マープルとダーモット・クラドック警部の愛情あふれる絆が大好きなんです/// 周知のようにマープルさんには甥のレイモンド・ウェストがいるんですが、マープルさんはレイモンドを甥として愛してはいるんですけど、心底では血を分けた甥よりも血のつながらないクラドック警部の方を、よりいっそう愛しているんだよね♪ そこがたまんなく好き///

クリスティーは自分の作品に登場する警部を美男子に設定することが多いんですが、その中でもダーモット・クラドックは筆頭格の美男子。メンクイなマープルさんは、初めて彼と一緒に捜査した事件「予告殺人」で、男性的なクラドック警部の美貌を惚れ惚れと見つめて、「あなただったらきっと、あの娘(事件の関係者)から知っていることをなんでも聞き出せるでしょう」と言うのね。そう言われて、若いクラドック警部は顔を赤くするんです、萌え///

そして、すっかり仲良くなって、「鏡は横にひび割れて」事件では、マープルさんは久しぶりに再会したクラドック警部に、「私のなつかしい坊や!」と呼びかけるんですよ~。んで、それに応えて、警部は「ジェーンおばさん」と甘えまくるんですよね~///

なんせマープルさんは公然と、「あなたはヘンリー卿の名付け子だと思ってますから、私も他の警部さんとは違う気持ちでおりますわ」(byパディントン発4時50分」)とのたまいますから、相当なもんです。凄い依怙贔屓!

クリスティーもクラドック警部には特別な思い入れがあったようで、作品の地の文で彼をファースト・ネームの「ダーモット」と書くくらい。

ただし、そこは一筋縄でいかないクリスティー女史です。どんなにマープルの秘蔵っ子としてクラドック警部を可愛がって描写しようとも、実は彼はそんなに頭は切れるほうじゃないんですよん(笑)。もちろん、人並み以上の頭脳ではありますよ、そうでなかったらマープルさんは彼を愛さないでしょう。ただ、彼はジェーンおばさんことマープルさんに甘えちゃって、彼自身の頭脳の切れ味で事件を解決するという場面があまりないんだよね。これは、ちょっと損な役回り。

この損な役回りは、ポアロ物でいえば、レイス大佐に相当すると思う。レイス大佐は俊敏な軍人あがりで、これまたものすごい美男子。頼もしい人物なんですが、クラドック警部同様、ポアロの引き立て役のような地位になることが多く、ポアロ物ではない作品に登場しても、真犯人から「あのレイスは利口そうに見えるが、そうでもない」とか言われちゃう始末vvv

クリスティーの作品に登場する警部達で、もっとも頭がいいのは、やはりバトル警部ニール警部だろうな。巷ではおそらく、木彫りのような無表情のバトル警部の方が有名かもしれませんが、私はまだ若い(三十代半ばくらい)のニール警部の方が好みかも/// この二人の警部は美男子という描写がされているわけではありませんが、なかなかいい男っぷりのようです。初期短編やテレビドラマで活躍するジャップ警部は、愛すべき人ですが、残念ながら美男子で頭がいいという範疇ではありませんvvv

駄菓子菓子! 全クリスティー作品中でも、ダーモット・クラドックをさえ押さえて、もっとも美しい警察官といえば――そう、「ポアロのクリスマス」に登場するサグデン警視でしょうな!(惚)

彼は、けれど、「ポアロのクリスマス」一作のみで退場します。それは何故かって? 理由は、是非、ご自身で本作をお読みください/// 私は小学生の頃にこの作品を読み、サグデン警視に一目惚れ(一読み惚れ?)したものですから、たいへん忘れがたい人物なのです。

ともあれ、ミス・マープルとダーモット・クラドックの関係を描くクリスティーの筆は、まさに舌なめずりせんばかり(笑)。クリスティーにとってのみならず、我々女性にとっては、この二人の関係はまさに理想的男女関係の最上等モデルでございましょう!

もし、ダーモット・クラドック警部を実写化するとしたら、誰が演じるとハマるかなあ? ジュード・ロウだとアクが強すぎるから、ちょっとダメかなあ? 金髪で、男性的な美貌でありつつ、老婦人に愛されそうな「男の可愛げ」と礼儀作法も身に付けた、そんな俳優でないと///

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ジュード・ロウ・・・こんな感じなら、イケそうではあるか?(笑)