新新・たまんにっき

文学と洋画、アニメ、漫画に萌えるインテリア大好き乙女の気まぐれ日記

生ハム再考 & グデパパはイケメン & 立場が逆なニコクラ

昨日、独ソ戦のご本を読んで、冒頭の生ハムについて愚考をめぐらせましたが、しかし、その後たまたまEテレの「旅するドイツ語」観ていて、ふと、「ドイツは生ハム帝国だったんじゃ?」と思いつきました。「黒い森のハム」はEUの地理的表示保護に認定されているくらいだそうだよ。ということは、ドイツ戦車に括り付けられてたあの生ハムは、ロシア戦線で収奪されたものではないかも。。。ということで、

深夜に突然「ロシアの生ハム事情」を調べだしたオタク=私vvv

調べてみると、やっぱ生ハムは圧倒的にヨーロッパの方が馴染みのある食材っぽいな。ロシアの生ハムの代表的なものにサーロというのがあるんだけれど(ウクライナ産)、これは豚の体内脂肪、つまり脂身。戦車に括り付けられていたような、立派な原木の姿であるかなあ?

もし、あの生ハムの原木がドイツ産のものであるなら、あの生ハムを映すことによってイェーガー隊はロシア戦線で非道な収奪を行っていないという暗示になるのかもしれませんが。どうだろうなあ? 深まる生ハムの謎(笑)。

でもって、夕べから早速、『戦車将軍グデーリアン』を読み始めております。この新書、口絵に写真が付いていて、グデパパのお顔が確認できます。↓

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注目すべきは、右ページ上部の、若かりし頃のグデパパの超イケメンぶりですかね/// 1908年、少尉に任官したころのグデパパだそうですが、昔の写真なので少々修正が入っているだろうとは思えど、かなりの美青年ですな。

んで、この新書の骨子は、それまで電撃戦の首脳として考えられていたグデーリアンの功績を、資料に基づいて批判的に再考するというものなので、彼が実は素朴な国粋主義者で、保守階級主義者で、かなり料簡の狭い男であったことを暴露しております。

もしそうだとすると、「T-34」のクラウス・イェーガーは、おそらくは昨今の研究で否定されたグデパパの職業軍人としての面を、従来の研究が示していたとおりの骨のある職業軍人のままで投影し造形したキャラクターだということになりますね? つまり、ナショナリズムと階級主義に囚われた狭い料簡を払拭し、ひたすら戦車と無線とに精通した功績のみを誇張して作り上げたキャラクターであるということですが。

なるほどね~。だからこそ、大佐の上官としてグデパパが配されている設定になったわけだな。グデパパにはなしえなかった軍人としての生き様を、なしえるかもしれなかった人物として、クラウス・イェーガーを造形したんだねえ。

その際に、問題となるのは、いかにしてグデパパが陥っていたナショナリズム階級意識を大佐に克服させるか、という点だったでしょうな。そこで採用されたのが、「大佐はオタクである」という設定なのか、納得納得/// 私は露骨なまでのパンピー蔑視主義者で、オタクこそが知の砦と信じて疑わないヤツなんですが(笑)、まさに「T-34」もそうなのではあるまいか? 曰く――

オタクは国境も年齢も、あらゆる差異をも越え得る!!

そういう可能性が、少なくともパンピーよりは大いにある、と思うからです~♪ オタクである大佐は、もちろん軍人としてまっとうだけれども、根底にはオタク特有のリベラルさがあって、敵国ロシアの兵で、処刑間近の捕虜で、貴族階級でもない、しかも10歳も年下のニコライに恋をすることが出来るんだよ!

それに引き換え、主人公であるニコライは、徹底して「国のために戦う」パンピーであるが故に、最後の最後まで大佐を「ナチ公」としか認識できない。心の奥ではゆらぐ感情を大佐に抱いていても(そうであってほしい)、パンピーの思考の枠組みってのは基本的にリベラルからは遠いものだからね。

橋の上での、あの最後の手と手の交わしあい――これ、もし二人の立場が逆だったら、私はね、奥さん、

ニコライは絶対に大佐の手を離さずに、死の道連れにすると思うんです!!

ニコライはそれでいいんです! それでこそ、天才ニコライ・イヴシュキンなんです! 祖国ロシアのために、敵国ナチ公の最優秀将校を道連れに死んでいくニコライは、独ソ戦におけるロシア側の英雄になるでしょう。

それにひきかえ、自ら手を離して一人堕ちていった大佐の死は、英雄の死にはならないんだよ。。。ただ、うまうまとロシアの捕虜に脱走された、詰めの甘い坊ちゃん将校としてしか語られない最期を、でも大佐は自ら選んだ。そこにこそ、俗物的生き方を謳歌するパンピーとは一線を画した、オタクの矜持が見出せるじゃありませんか、奥さん!!!(絶叫)

世の腐女子の方々がクラウス・イェーガーにこんなにも熱く燃えるのは、上記のような次第が見出せるからじゃないの?

・・・う~ん、なんだか異様に熱く語ってしまったぞ、今日は(笑)。ま、言えることは唯一つ、

大佐はやっぱ、グデパパの溺愛するご令嬢にして、最高にイケてる男です☆

ってことすかねvvv

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さあて、今日はケーキ作る時間、あるかなあ?